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水族館で「ラッコ」見られなくなる危機…８頭にまで減少したわけは？
前足を器用に使っておなかの上で餌の貝を割る仕草で人気者ラッコですが、実はラッコが今、日本の水族館から次々と姿を消しているというのです。
神戸市須磨区の須磨海浜水族園。豪快なイルカショーなどのアトラクションや世界各国から集められた珍しい魚が見られるとあって多くの家族連れなどが訪れています。中でも人気者のラッコ。須磨海浜水族園では現在２頭のラッコを飼育しています。飼育員とハイタッチするなど、器用な仕草にお客さんの目はくぎづけです。
「かわいいです」（男の子）
「手を使ってる仕草とか人間らしいですね。ほっこりします」（男性客）
しかし、ラッコは今、日本の水族園などから次々と姿を消しているのです。
「ピークが１９９４年の１２２頭だったんですが、そこからどんどん落ちてきて、現在８頭にまで下がってしまったという現状です」（海獣飼育課 栗栖有希さん）
この現状をお客さんは知っているのでしょうか？聞いてみると…
「（記者：国内のラッコの飼育数は知っていますか？）５０００ぐらい？３０００ぐらい？（記者：実は８頭です）えっ、８？」（来園客ら）
ラッコは１９８３年に初めて日本で一般公開され、ぬいぐるみのような愛らしい姿と貝をおなかの上で割るユニークな姿で一躍人気者となりました。ピークの１９９４年には全国２８施設で１２２頭のラッコが飼育されていました。現在、国内でラッコを飼育しているのは、須磨海浜水族園のほか、和歌山県の「アドベンチャーワールド」など６施設で、ラッコは８頭のみとなりました。なぜここまで減っているのでしょうか？
「ワシントン条約の規制によって、野生の新しいラッコが日本に入ってこなくなってしまったということが、１つ原因として挙げられます」（海獣飼育課 栗栖有希さん）
主なラッコの生息地であるアメリカでは、毛皮を目的とした乱獲で野生のラッコが激減。２０００年には絶滅危惧種に指定され、アメリカでは野生のラッコの捕獲が禁止されました。ワシントン条約によりラッコの輸出入が規制され、２０年余り、日本にラッコは輸入されていません。ラッコの輸入が途絶え、各地の水族館は繁殖に取り組みましたが、そこにも高い壁がありました。
「飼育下のラッコは繁殖する方法などですね、見て学ぶ機会が野生のラッコと比べて、少ないということがありますので、繁殖方法自体もわからないという雄の“草食化”なども進んできてしまっているようです」
須磨海浜水族園ではこれまでに６頭の繁殖に成功しました。ところが２００３年の繁殖成功以降、ラッコの“草食化”や高齢化などにより１５年以上繁殖にはつながっていません。
私たちに癒しを与えてくれるラッコ。その姿を日本で見られなくなる日はそう遠くないかもしれません。
掲載URL：https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190624-00028337-mbsnews-soci
